友情に勝る欲情

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Side 陽介 まてまてまてまて 何故上岡の上岡くんはこの場で反応しているのだ。 違う興奮や疲れで勃つ事はある。俺も男なのでそういった経験もある。 だが、このタイミングで勃つのはおかしくないだろうか。 「陽介、とりあえず上から退いてくれないか」 上岡が下で何か言っているが状況についていけず軽くパニックを起こしている俺の耳には入らない。 きっと部屋に入ったら友人がオナニーしてるより現状の方が10倍羞恥を感じるぞ。 まさか友人のモノを押し付けられる日がくるとは。 「あー……抜いてやろうか?」 混乱からどう切り抜ける事が正解か分からない俺は多分もっとも不正解な答えをポロりと溢した。 これでは思考がエロ西と変わらないだろ。 俺の返答があまりに突飛で馬鹿気ていたせいか、上岡は目じりを険しく吊り上げた。 「ッんう」 後頭部に回された指が俺の髪と頭を乱暴に引き寄せた。歯と歯がぶつかる勢いでキスと呼ぶには荒々しい口づけに息をのむ。 「いい加減にしろ、俺は聖者でも何でもないんだ……本気で襲うぞ」 熱の籠った低い声が上岡の余裕のなさを教えてくれた。心臓がうるさくなる。 獣くさい眼差しに頭の中で警報音が鳴るが、それをかき消すように先程の上岡の言葉が甦る。 『誤作動だ』 そう、これも誤作動だ。もしくはコイツのキスに媚薬効果でもあるか。 俺は上岡の薄い唇に恐る恐る自分から唇を落とした。
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