天使の名の悪魔

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「先生でもないのに何でそんな偉そうなんだよ!」 「だいたい何だその変な制度!前の学校にもあったけど、俺が言ったら生徒会のやつら治したぞ!お前らもダメな所は治したほうがいい!!」 「俺が友達になってやるからお前も一緒に飯食おうぜ!ここのオムライスめちゃくちゃうまそうなんだぞ!!」 直仁さん、破天荒とか可愛らしい言葉ではこの生き物は収まりきりません。宇宙人すぎます。 宇宙人が懸命に俺たち人類に交信しているが、俺たちにその言葉はさっぱり理解できない。 江西の表情がだんだんと暗くなり、こめかみから額にみみずのような青筋を数本浮かばせた。 「いい加減にしろ!お前がここを利用すると迷惑を受ける生徒がいると言ってんだよ。利用したいのならば次の投票で自力で勝ち取れ」 目じりを険しく吊り上げて怒る江西に、俺は珍しいなと他人事に思った。 先ほど高良田は「教師でもないのに」と言ったが、江西はその権限をもっている。 人気投票二位を一年生にして取ったのだ。 江西が出てきた以上いち生徒の俺から注意をする必要もない。昼休みは有限のため、傍観者の一人になった俺は小鉢の小松菜を箸で掴んだ。
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