天使の名の悪魔

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「何なんだよアイツは」 昼食を見事に被った俺と江西は先生の許可を得て午後を早退させて貰った。 自室の風呂に入ろうかとも思ったが、この時刻誰もいない大浴場もいいだろと江西に誘われ寮の最上階にある大浴場にきた。 「芸堂から転校してきた高良田天使。色々災難だったな」 「お前も、あんなんになつかれて大変だな」 「お互い嫌になるな」 「だな」 ため息を漏らしつつ服を脱ぎ終わった俺たちは浴場へと足を進める。 壁の一面がガラス張りになったホテルなどで見られる広さの浴室には、今は誰も居らず少し冷えていおり俺は小さく震えた。 「洗ってやろうか?」 ここに来るまでに散々愚痴を漏らした江西は、普段の調子を戻したらしくニヤリと笑う。 いつもなら眉をしかめる発言も、今回ばかりは思ったより気にしていない江西に目を細めた。 「じゃあ俺も背中流してやるよ」
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