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「明日、学園長室にお持ちしますね」
「俺が自室まで取りいこうか?」
「学園長が学生寮に来られたら噂の的になってしまいますよ」
クスリと笑えば直仁さんも「そうだな」と笑って返してくれた。
玄関前で直仁さんと別れ、俺は八代先生の部屋へとお邪魔した。が、早々にきびすを返し玄関にむかう。
「あからさまな反応するな、社会人男性の部屋なんてこんなもんだぞ」
八代先生は帰ろうとする俺の首根っこを掴むと座って待っていろと奥に消えた。
いや、どこに座れってんだよ。
八代先生の部屋はとにかく汚かった。食べ掛けのカップ麺やビールの空き缶はそこら辺に転がり、洗濯してあるのかないのか分からない服が山となりそびえ立っている。あげくエロ本やらDVDやらが隠すことなく床に散らばっていた。
社会人男性が皆こうだとは思わない。
実際、直仁さんの部屋はこれほど汚くなかった。仕事が忙しいも少し荒れていたが八代先生の部屋に比べたら100倍ましだ。
「顔はキレイな癖に生活能力ゼロとか……結婚出来ない訳だな」
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