年の差は経験の差

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息が出来ず流し込まれた液体を飲み込めば、喉が焼けるように熱くなった。 俺が困惑しているうちに八代先生は一度唇を離し再びビールを含むと同じように俺に流し込む。 やばい、クラクラする。 この年で飲酒など当然した事のない俺は、慣れぬ味とアルコールの匂いに眩暈をおこす。 「ふっ……今日はいやに可愛い反応するな」 やめろ、客と間違えたまま耳元で囁くな。 そう思っても抵抗しようにも体が言うことを聞かない。だんだんと頭がふわふわしてきて思考も停止していく気がした。 「やっぱ今日は泊まってけよ、サービスたくさんしてやるからさ」 「んッ……もっと、いっぱいして」 舌っ足らずに「やしろせん、しぇ」なんて呼ぶ声が他人事に聞こえる。 とにかく体に溜まった熱をどうにかしたくて、助けを求めるように八代先生の首にしがみついた。 初めて呑むビールの味が舌の上に不快感を残し、それを取り除きたいが為に八代先生の唾液を求め唇を重ねる。 だが逆効果で余計に酒の味を強く感じ、クラりと脳を揺さぶった。 一瞬八代先生が驚愕の表情を浮かべているように見えたが俺の脳はもうそんなものどうでもいいと判断し、ただただ目の前の男を求め続けた。
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