年の差は経験の差

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side 八代 このまま冷水を浴び続けたら風邪を引きかねないと、俺は寺崎の手を剥がしシャワーをお湯に変えた。同時に湯船にもお湯を溜めはじめる。 まだ体が火照っているのか寺崎は「やらやら」と舌っ足らずに首をふり、冷えた俺のスウェットに懐いてきた。 「体冷えちまうから服ぬげ」 「……せんせーのえっちー」 言いながらケタケタと笑う寺崎。 元職業柄、酔っぱらうと人格が変わる人を多く見てきたが寺崎のふり幅は相当デカイ。これで記憶が残っていたらショックのあまり部屋から出てこなくなりそうだな。 「そうそう先生はエッチだから早く脱いでくれ」 酔っぱらい相手は慣れたもんで、寺崎は俺の頼みを聞くと自分でシャツのボタンに手をかけた。 だが上手く外れず段々と泣きそうな表情になっていき、終いには俺に助けを求め「とれない」なんて可愛くお願いしてくる。 一体どこでそんなホストのようなテクニックを覚えたんだ。 「貸せ」 「せんせはぬがないの?」 「脱ぐけどまずおまえな」 「おれがぬがしたい」 「分かった分かった、だから動くな」 俺がボタンを外す間も大人しくしていられず、寺崎は俺のスウェットを引っ張ったり外したシャツのボタンを止めようとしてみたりと好き勝手に動く。 まるで子供の着替えを手伝っているような錯覚を起こしそうだ。 しかしシャツの下から露になったのは紛れもなく子供の柔らかい肌ではなくそれなりに引き締まった男の体である。そのギャップに多少の興奮を感じ喉がなった。 脱がせたシャツをバスルームの隅に投げ、ついでに下も脱がしてしまうためベルトに手をかける。 寺崎も抵抗することなく、されるがままにジーンズから足を抜きボクサーパンツも素直に脱いだ。
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