年の差は経験の差

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side 八代 一人生まれたての姿になった寺崎は恥ずかしがる訳でもなく、俺を見下ろした。俺が立ち上がれば寺崎の視線も自然とあがる。 「せんせー寒い」 「さっきまで暑いっていってただろ」 「さむい」 寺崎は俺に身を寄せ「冷たい」と文句を言いすぐに離れた。だが、俺の理性が悲鳴をあげ寺崎の細い腰を掴み抱き寄せてしまう。 酔いのせいか頬を染め軽く濡れた目元に喉がなる。 我慢するなど無理な話だ。 「キス、していいか?」 わざわざ聞いたのは自己防衛からで、今の寺崎が首を横に振らない事は初めから分かっている。 その証拠に寺崎は濡れたスウェットから顔をあげ自分から噛みつくようなキスをしてきた。 手持ち無沙汰だった寺崎の手は、俺の腰に回り下着ごとスウェットを下げる。慣れた手つきにこの年で既に経験アリかと頭の片隅で思った。 どちらの経験か気になったがそれは寺崎の次の行動ですぐに判明した。 「おいおい、俺はお前の彼女じゃねーぞ」 スウェットを下げた手はそのまま尻を揉み、割れ目の奥へ指を入れてきた。あると思っていたお目当ての穴がなく不服そうな顔をする寺崎が可笑しく、俺は子供をあやすように額、目尻、頬へとキスを落とす。 最後に唇へとキスをすれば寺崎は自身から舌をつきだしてきた。 「今日はお前が女役な」 「ん、ぅ……ふぅ」 下唇を舐め囁き、再度深い口づけを落とす。 酔いが覚めぬ寺崎の頭はとろとろに蕩けているのか、気持ちよさそうに目を伏せ俺の背中へと手を回した。
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