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開いた画面に初めての和夫の言葉
《僕でも良いですか》
《私で良いですか》
楽しかったなぁ顔も何も解らない男性それも年下とのお喋り
サイトを通してのメールのやり取り、夜に成るのが楽しみで、待ち遠しくて
《ねぇ僕と直メしてくれないかなぁ》
《私で良いの?ホントに・・・》
嬉しくて思わずスマホに頭下げてたっけ(笑)
《僕の方こそ宜しくお願いします》
(あぁ~又、眠くなってきちゃった)
翌日から楽しかったよ
何時もの部屋で迎えた何時もの朝なのに、レースのカーテンから射し込む陽射しはカーテンの模様をフロアから次第に白い壁にスーと伸びて揺れる
ピピピピッ!けたたましく鳴り響くスマホ。
(誰だろう?こんな朝早く?)
寝ぼけ眼で枕元のスマホを手にした。
画面に出た登録仕立ての和夫の名前、
(和夫の着メロ変えなきゃあね)
ベッドの上で飛び起きて正座してドキドキしながら開いたE-mail
《お早う御座います!》
ワクワクしながら返信した。
《お早う~!》
返信が待ち遠しくてスマホとにらめっこしてたっけ(笑)
《お休みの朝に早かった?起こしたかなぁ?》
《ううん、起きてましたよ、夕べは遅く迄ご免なさい。貴方は眠くないですか?》
《大丈夫ですよ、今日は折角の日曜、君こそ眠くない?》
《ううん、夕べは凄く楽しくて興奮しちゃって眠れないと思ったけど反対に良く眠れたわ(笑)》
《そんなに楽しかったの?嬉しいなぁ》
《夕べも話したように余り知らない男の人と、こんな風に気軽に話した事無いから》
《ダメだよ、自分の殻だけに閉じ籠ってたら、夕べも話したけど君は君が思ってる程暗い性格じゃないと思うよ》
《駄目よ、貴方、話上手だし、だからツイツイ私もお喋りしちゃう》
《僕だって、仕事と部屋の往復だけで妻と10年前に離婚して子供を育てるのにガムシャラに働いて子供も手が離れて気が付いたら回りに誰も居なかったんだよ》
《私は・・・もぅ誰にも近寄らないで1人で居ようって決めたのに、この頃誰かと話したくて》
《ダメダメ!1人閉じ籠ってるのはダメだよ!これからは話したくなったら何時でも僕を思い出して欲しいなぁ、何でも話そう》
《はっ、はい!》
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