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《僕だって、仕事と部屋の往復だけで妻と10年前に離婚して子供を育てるのにガムシャラに働いて子供も手が離れて気が付いたら回りに誰も居なかったんだよ》   《私は・・・もぅ誰にも近寄らないで1人で居ようって決めたのに、この頃誰かと話したくて》   《ダメダメ!1人閉じ籠ってるのはダメだよ!これからは話したくなったら何時でも僕を思い出して欲しいなぁ、何でも話そう》   《はっ、はい!》          私が信二と知り合ったのは20の頃だった。成人式の帰りに女友達と3人で前から気になっていた店に行ってみようと美容院に振り袖を返し自分のスーツに着替え大人に成ったんだと初めて試そうと決めてたアルコールにワクワクしてその店に入った。    店の中は成人式帰りの振り袖やドレスアップした女の子や派手な羽織袴や着なれないだろうスーツに済まし顔の男の子達で賑やかだった。    私と友達は、そんな人の間をすり抜けながらカウンター迄行くと   「ねぇねぇ何飲む?」   「何飲むって私は初めてだよぉ、聞かないでよ」   「嘘だぁ~今年のお正月に飲みすぎたって吐いてたの誰でしたかねぇ?」   「あれはねぇあれは麦茶を飲みすぎちゃったのよぉ(笑)あの麦茶は美味しかったぁ」   「うんうん、あの麦茶は美味しかった(笑)」   「ハイハイ!それでは、このお店の麦茶は確めないとね」   「さんせ~い(笑)」    初めて堂々と飲めるアルコールと店の雰囲気に私も友達も楽しくてビールからカクテルへ。    カクテルなんて何がどうなのか知る訳も無くてカウンターの若いボーイに進められる物を飲んだ。    それは甘く店のライトがカクテルグラスをキラキラ輝かせ自分は大人だと。    途中から真新しいスーツに身を包んだ男性、3人と合流して彼らのテーブルに誘われて一緒に飲み始めた。肩を組んで歌ったりフロアでダンスを踊ったり覚えてるのは楽しかったって事だけだった。      頭が痛い!夕べ飲みすぎたかなぁ?頭が割れるように痛い!痛さで目が覚めた。頭に手をやり重たい瞼を開けた。   「えっ!」    目に飛び込んで来た天井は自分の部屋では無かった。    突然酔いが覚めた!自分が何処に居るのか?意味が解らず左を見ると男の人が此方に顔を向けて軽い寝息を立てていた。   4話へ
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