雪の花

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 それから数ヶ月がたった。割とその花の成長は早かった。  「できたよ、ウィエト!雪を敷き詰めたようだ!」  「素晴らしいです~紘太様。」  「今日オープンなんだ。頑張ってインターネットで告知したんだ。植物園の入り口を見てみよう。」  「はい。」  植物園の入り口を管理室から見てみると…そこには溢れんばかりの人が並んでいた。  「ありがとう、ウィエト。君のおかげでこの植物園に人がきたよ!」  「よかったにゃ。」  「嬉しいなぁ…こんなに人がいて楽しんでくれてる。うふふ。」  (紘太が喜んでる。よかった。)  その日の夜、お祝いに果物ケーキを作った。が、ウィエトはどこにもいなかった。  「どこ?どこにいるの?」  ふと、始めに出会ったところを見た。  「あそこか?」  走っていくとそこには1つの花びらがあった。  『ありがとう。会えてよかった。悩みが解決したのでさようならの時間にゃ。雪の花が幸せをもたらしますように! ウィエト。』  「なんで…せめてケーキ一緒に食べようよ…」  はじめの話を思い出しながら、悲しくなってきた。涙がその花びらにこぼれた。  ケーキを半分置いて植物園を去った。
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