雪の花

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雪の花

 とにかく自然が好きだった。いろんな色があっていろんな音を生み出す。一種の癒しでもあった。  だから植物園が作りたかった。高校生からバイト、就職を経て貯めたお金で、とある場所に植物園を建てた。…人はなかなか来ないけど。時代遅れだろうか。  ある朝、僕は見たことのない白い花があるのをみつけた。毎日水をやっているから気付かないはずがない。それは突如現れたのだ。  恐る恐る近づくと、その花の根元に何かが寝ていた。  「うわっ。」  思わず声がでた。すると、  「うにゃ??お、おはようございます!…?」  (喋った…)  「初めまして。ウィエトと申します。どなた様?」  「ぼ…僕は納谷紘太。この植物園の園長です…」  そいつは真っ白でふわふわで猫と狐を出して2で割ったような姿をしていた。  「紘太様ですね。」  「ええと…ウィエトはどうしてここに?」  「私はこう言われました。『悩みを持つものの助けになりなさい。』と。それに見合う力をもってるのです!」  「僕の悩み?なんだろうね。」  ぐぅぅぅ。  「…ふふっお腹すいてる?」  「恥ずかしながら」  「おいで植物園の果物をあげる。」  「やったにゃ」  (猫…なのか?)  「おいしかったです。さて、紘太様は悩みはあります?」  「それね…考えてたけど、やっぱりこの植物園に人がこないことかも。」  「なるほど…わかりました!」  「わかったの!?」  「うにゅ。私の寝ていたところのあの花ですよ!!まだこの世界では未発見ですから!」  「ああなるほど。じゃ増やさなきゃ!植物園に新しいエリアを作ろう!」
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