15.嫁さん

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   力強い目に人懐こい笑みが浮かんだ。 「最後まで楽しんで行ってください。ありさが喜ぶ」  後姿を見ながら、今になって杉野に冷や汗が出てきた。見つめる先はありさじゃない、池沢の背中だ。 「おやっさん、いい男を見つけましたね」 「俺が見つけたんじゃない、あれはありさの上司だ」 「真っ当な堅気ですか!」 「俺ぁ、あいつに喜んでありさをやったよ。もう一人いいのがいたんだけどな、そいつにはあっさり蹴飛ばされたんだ」 「どいつがそうですか!?」 「あれだ」  威圧感を放つ大滝の向かいに座っている蓮を差した。 「お嬢の会社って……堅気に見えねぇヤツばかりだ」 「みんな俺んとこに遊びに来てくれる。お前らみたいに毒がねぇ。いい連中だ」  杉野の顔を見下ろした。 「どうだ? あいつに勝てそうか?」  杉野は返事が出来なかった。それを見て親父さんは満足そうに頷いた。 「チーフ、三途さん、おめでとうございます!」  ジェイのテーブルで花以外が立ち上がった。 「座れよ、みっともないから」  花に言われて慌てて座る。 「ありがと、来てくれて」 「嬉しいよ、みんなちゃんと食って行けよ」 「はい!」  三途チームが元気よく答える。   
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