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力強い目に人懐こい笑みが浮かんだ。
「最後まで楽しんで行ってください。ありさが喜ぶ」
後姿を見ながら、今になって杉野に冷や汗が出てきた。見つめる先はありさじゃない、池沢の背中だ。
「おやっさん、いい男を見つけましたね」
「俺が見つけたんじゃない、あれはありさの上司だ」
「真っ当な堅気ですか!」
「俺ぁ、あいつに喜んでありさをやったよ。もう一人いいのがいたんだけどな、そいつにはあっさり蹴飛ばされたんだ」
「どいつがそうですか!?」
「あれだ」
威圧感を放つ大滝の向かいに座っている蓮を差した。
「お嬢の会社って……堅気に見えねぇヤツばかりだ」
「みんな俺んとこに遊びに来てくれる。お前らみたいに毒がねぇ。いい連中だ」
杉野の顔を見下ろした。
「どうだ? あいつに勝てそうか?」
杉野は返事が出来なかった。それを見て親父さんは満足そうに頷いた。
「チーフ、三途さん、おめでとうございます!」
ジェイのテーブルで花以外が立ち上がった。
「座れよ、みっともないから」
花に言われて慌てて座る。
「ありがと、来てくれて」
「嬉しいよ、みんなちゃんと食って行けよ」
「はい!」
三途チームが元気よく答える。
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