雪の中の少年

3/22
前へ
/22ページ
次へ
 体が重い。  命より大切な、と日頃は思っているカメラや機材が、今は邪魔ものだ。  目がかすんできた。  もう、一歩も動けない。  いっそ、ここに倒れこんでしまおうか、と思った矢先、いつのまにたどり着いたのやら、木造の山小屋が目の前にあった。  幸い、灯りがともっている。 「天の助けだ」  凌介は力を振り絞ると、山小屋まで必死になって歩いた。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加