雪の中の少年

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「僕、地元だからこの辺詳しくて」 「あ。そしたら、麓のカフェ知ってる?」 「ヒゲのマスターの」 「そうそう。彼に忠告されたんだけど、無理して登っちゃったんだよね」 「冬山に登るにしては、軽装だと思いました」  でも、と凌介は両腕で晶を抱いた。 「君のおかげで助かったよ、ありがとう」  そして、顔を晶にどんどん近づけていった。 「あ、あの。相川さん?」 「凌介でいいよ」  ついに、凌介の唇が、晶をとらえた。  軽くついばんで、囁く。 「お礼がしたいんだ……いいだろ?」  頬を染め、小さくうなずく晶がひどく可愛かった。
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