作家の夢を諦めて、サッカーサポーターになって。

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 が、しかし。  現実は甘くない。  賞には箸にも棒にも掛からぬ。  気が付けば僕は三十歳になっていた。  ある朝、出勤のための身支度でネクタイを締めている自分の姿を鏡で見て、 「やめるか」  ぽそっと、そんな言葉が口を突いて出た。  もう、いいかな。十分頑張った。  十年以上小説を書いてわかったのは、所詮はその程度の実力しかないってこと。  現実を受け入れて、僕は夢を諦めた。
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