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我愛イ尓(ウォーアイニー)から始めよう               1、プロローグ  2018年10月20日 普段は日光など差し込まない、閉めっぱなしの雨戸から漏れる日差しを瞼に感じて、玉田浩二は目を覚ました。 別れた女房が、死んでいるのではないかと二度も疑ったほどの見事なうつ伏せから万年床を押し返し、面倒くさそうに起き上がると、いつもの習慣で年中付けっ放しのパソコンが置いてある机に向かい、ニュースサイトで海外サッカーの試合結果を見る。 画面を見るでもなくぼんやりと眺めながら、ハッキリしていく意識の中で、玉田は今日も目覚めてしまった事を悔やんだ。 昨日は期間工のアルバイト採用試験に落ちた。  47歳という、人並の人生を送っていれば会社の中心となって働き、そこそこの給料を貰い、反抗期の終わった子供をもう一息で社会に送り出そうというこの年齢で、見るからにやる気のない若者に混じって面接を受け、そして落ちた。 決して能力が劣っている訳ではないと思う。社会に出てからの30年間で、都合7度の転職をし、それぞれの会社で一定以上の評価は受けてきた。     
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