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犯人……。そうだ。これは誰がどう見ても事故の死に方ではない。
何者かによって、殺害された死に方だろう。
だが、頭を吹っ飛ばすなんて、ハデな殺し方をどうやってやったのだろう。日も高い街の中で……。
僕は資料を覗き込み、目撃者の言葉などを読むことにした。
どうやら、被害者は突然、もがきだしてそして頭がドカンと吹っ飛んだというのだ。
普通ならそんな話を鵜呑みにはしないが、この事件が解決に至っていないことから目撃者の証言を疑うこともできない。
「爆弾の破片は見つかったんですか?」
「いや……。そんなものは見つかってない」
「爆弾で死んだんでしょう?」
「……それ以外に考えられないから、そう言っただけだ」
「……つまり、ホントのところは、爆弾なんか見つかってない?」
「そうだよ」
不機嫌そうに刑事は吐き出す。
未解決の事件を根掘り葉掘りと訊ねられるのは刑事からすると、誇りを汚されるようなものだろう。
「爆弾がバクハツしたら、必ず痕跡に遺る。でも、このガイシャは、そんなものがない状態だった」
「自然に頭が爆発したってことになりますねー」
面白い話だなと、僕は少し浮かれた声を出していた。それが気に入らないのか刑事は露骨に嫌な顔をして、鼻を鳴らす。
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