清潔な洋菓子

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そんなお姉さんと会う機会は、突然にやってきた。  学くんが土曜の午後も働いているので、不純な動機で土曜日にも勤務希望を入れてみた。 初めて一緒に働いた土曜日は、私も学くんも午後五時に勤務が終わった。  いつもどおりダラダラ着替えて、学くんと帰る準備をした。いつもと違うのは、外がまだ明るいことだ。 あわよくば、どこかで夕飯とかお茶とかしていきたい。 学くんから誘ってくれないかな……。 そんな私の願望の上を行く出来事が起こった。 「あのさ、夜雨ちゃんこれからうち来ない? 」 「え」 「なんかいつも話足りないじゃん? 今日はまだ早いから、門限大丈夫でしょ?  」  私の中の森の花畑は、にわかに色づき始めた。 「いいの? 今日、お姉さんは? 」 「あー、多分姉ちゃんはそのうち帰ってくると思うけど、ダメ? 」  ぶんぶん首を振って応じた。  いつも帰り道の十数分だった私と学くんのプライベートな時間が、今日は延長される。そう考えただけで、もう舞い上がりそうだった。
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