クリスマスデートはイブに

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私を釘付けにしてるのに 気がついてないみたい 君はスマートに扉を開けて私を誘う イブのドライブはどこに連れてってくれるの? 助手席に座ったら ドキドキで心臓がもたないよ 横を見たら 夢にまで見てた君がいる オフホワイトのセーターを着て 暖かそうな首元からちょっと覗いた喉仏 セクシーな形にドキドキが加速しちゃう 『何?』 『ううん…』 『何か愉しそう』 『そうかな?』 『にやけて、可愛い』 『にやけて無いもん』 可愛いとか そんな急に言われたら照れちゃうし ちょうど信号待ちで止まったら 君は私の右頬をちょんってつつく そっちを向いたら 唇にキスされた 甘い甘いクリスマスケーキより甘い そのキスをずっとずっと味わっていたい ねえ 信号は今何色? そっと目を開けたら あなたは長い睫毛を閉じて わたしとのキスに夢中 ねえ 信号がずっと赤のままなら いいのにね 願いも虚しく信号は青に変わって 君は前を向く 整った鼻筋と男らしい唇 憂いを秘めた栗色の瞳 程よく日焼けした滑らかな肌 もっと触れたくて 手を伸ばす あなたは嬉しそう 膝に乗った私の右手 その感触を楽しんでる 『ねえ、どこに行くの?』 『秘密』 君が連れてってくれたのは 白亜の教会 イルミネーションに彩られた扉の前で 君は私に煌めく指輪を差し出した 何となく顔が赤いのは気のせい? いつも自信溢れた君が何となく 所在無さげなのは気のせい? 『僕と結婚して下さい』 えっと…これって… 初めてのデートだよね? 私が戸惑うとあなたはうなだれる 『…ごめん、引く?』 『そんなこと…ない。でも…何で?』 君は私の髪を撫でて耳にかけた くすぐったくて目を細めたら 白い吐息と愛の言葉が いつの間にか舞い落ちてきた雪と一緒に降ってきた 『初めて会った時から結婚するなら君がいいって思ってた。一日でも早く僕のお嫁さんになって欲しい』 夢みたい。 『こんな私で良かったら…。一日でも早く私をお嫁さんにして欲しい』 私はあなたに抱き上げられてそして、ふわりと包まれた 夢じゃない。 君の腕がリボンみたいに 君と私を綺麗に結んで 繋げてゆく 赤信号に邪魔されないからって ロマンチック過ぎる教会の前だからって 絡まった君の唇が あまりにも大胆不敵に 私を求めるから 恥ずかしくなるよ ねえ 君にキスを贈られた私の中身は 今世界で一番幸せな形をしてるって 思うんだ
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