白、黒、どちらでもない楽園の夜。

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君の着てる白いシャツが あまりにも似合いすぎてて 目眩がした 君が着てる黒いワンピースの 裾が 暗闇にしかけられた罠みたいに 魅惑的に揺れていて 目を離せなかった 夏の異国のストリート 噎せかえるような熱風と享楽的なざわめきの中で僕らはすれ違った 振り返ってみてしまったわたしを 同じタイミングで君もわたしを 見つめてた 国境とか人種とか関係無く 僕らは惹かれ合ってるんだ 言葉を交わして 近くのバーで語り合おう 昨日までの戦いと挫折と 立ち上がった時の勇気と 涙と共に身につけてきた生きる(すべ)と そして さっきまで忘れかけてた 恋の情熱について どんな人達と出逢ってきて 今の君があるの? どんな恋をしてきて 今の君があるの? 知りたいと知りたくないの狭間で もがいて 辿れなかったすき間を埋めたくて たまらなくて 二人で白く甘いシーツに身を沈めて 終わらない夜を過ごした …身も心も軽いね。 …ここが日常からかけ離れた 楽園だからかな? …ここが天国だからなのかもよ。 身軽になった僕らはただ一つになって 愛し合う そこには今まで重ねてきた罪も後悔も 何も無い ただ甘いだけのひとときがある そうやっていつの間にか 大人を脱ぎ捨てた僕らは 誰の名も知らないこの国で 誰を気にすることなく 初めてのように愛し合うんだ 生まれ変わったようになれたらまた 前を向いて歩けるのかな 自分の国の 自分の居場所で
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