第一章・冥界創世
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第一章・冥界創世

 麗らかな昼下がり。  魔界の魔王の居城にある広間で、私はハウストとイスラとゼロスの四人でゆったりとした時間を過ごしていました。  ハウストが政務の合間を縫って、広間にいる私たちのところへ来てくれたのです。 「お疲れ様です。紅茶を淹れますね」  彼の分の紅茶を淹れます。もちろん私やイスラやゼロスの分も。  テーブルに紅茶とお菓子を並べました。 「イスラ、ゼロス、こちらへ来なさい」  手招きして呼ぶと、お絵かきをしていたイスラと積み木で遊んでいたゼロスが顔を上げる。  おやつの時間を待っていたイスラはすぐに片付けてテーブルへきますが、ゼロスは積み木でもっと遊びたいようです。 「ゼロス、また後で遊びましょう。積み木はどこにも行きませんよ」 「あーうー。あむあむ」 「あ、こら。口に入れるものではありません」  積み木を口に入れてあむあむと……。  苦笑してゼロスを迎えに行きます。 「ちゃんとお片付けするんです」そう言い聞かせ、ゼロスと一緒に積み木を片付けてハウストの側へ戻りました。 「ゼロスはもっと遊びたかったのか?」 「そのようです。まったく、仕方ないですね」  私はゼロスを抱っこしてイスラの隣に座る。  イスラを挟んだ位置にいるハウストに笑いかけます。 「どうぞ召し上がってください。ゼロスはミルクをどうぞ」 「あぶ。ちゅちゅちゅちゅちゅちゅ」  腕の中でミルクをごくごく飲むゼロスに目を細め、次にイスラを見る。  イスラの口の周りにはお菓子の欠片がくっついていて、小さく苦笑しました。たくさん食べてくれるのは嬉しいですが、ちゃんとした作法も身に付けなければいけません。 「イスラ、ついてますよ」 「どこ?」 「反対側です。ほら、ここです」  手を伸ばしてそっと取ってあげます。  でもイスラは私の抓んでいるお菓子を見ると、ぱくりっと食べてしまう。 「お行儀が悪いですよ」 「おいしそうだったんだ」 「おいしそうでも、です」 「むっ……。でも、このまえハウストもしてたぞ。ブレイラはダメっていったのに、ぱくって」 「それはっ……」  頬が熱くなって言葉に詰まる。  見られていたなんて、思い当たりがありすぎて……。  でもこのままうやむやには出来ません。きちんと教えなければ。  私は咳払いして気を取り直し、イスラを説得します。