捜す

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* 翌日、日曜。 屋敷に一族が集められた。 一族といっても長女の弥生(やよい)、先日いた次女の婦人、(たまき)、長男雅人の3名だ。 弥生はスーツ姿で気の強そうなインテリ眼鏡の女性。雅人も同様のインテリ眼鏡。 2人とも神経質そうな細身で、何度となく眼鏡を調節する。 大翔もいた。 私の顔を見るなり、 「あんた、花屋の…ハルは?」 「詳しいお話はあとで」 「皆さん揃いましたね」 オホンと咳払いする玖美さん。 隣に刑事らしい男もいた。 40代くらいの、ラグビー選手のような体格のいい、ビシッとしたスーツ姿。眉の太い濃い顔だ。 「捜査二課の水嶌(みずしま)です。よろしく」 「早速ですが皆さん、佐仲芳子という女性をごぞんじですね?」
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