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「じゃあ真犯人は…」
「少なくともこちらにいらっしゃる、どちらかが実行犯となりますね。環さんも知っていたなら隠蔽の罪にはなります」
「私も…?!」
言葉をなくし、崩れる環さん。
何となく気の毒ではある。
大人たちが連行されるのをぼんやり見守る大翔くん。
「そういえば、あのとき溺れたの助けてたの、どっちの人なんですか?」
「そうだ。猫はどうするんだ」
大翔くんの言葉に壬言さんが大きな声で被せるように。長袖のジャンパー越しに慌てて大翔くんの口を塞ぐ。
羽織のジャンパーが大きめなのはなにかあったときのためか。
「余計なこと、思い出させんじゃねえ…」
ギリギリ私に聞こえない声で耳打ちした。
一応お礼は言ったし、もう忘れていた私はキョトンとする。
「状況的に、大翔くんが見てくれたら、一番助かりますけどね」
「いいんですか?」
「麻衣さんがいいなら」
私もそう思った。
どちらにしても今いる面子で飼えそうな人間はいない。
なによりハルが懐いている。
「じゃあ、引き取りに来るか」
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