捜す

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「ところで真来さん、この後お時間ありますか?」 店に帰るなり眞言さんに言われる。 「えっ?」 今日は臨時休業にしていた。 まだ明るいが、時間は5時になろうとしていた。 あとは片付けて帰るだけだ。 壬言さんは駐車場に車を置きにいっていた。 「真来さん、いや、真来ちゃんと2人きりがいいんです」 ええええ?! あんぐりと口を開けわたわたしていると、不自然に固まったまま、戻ってきた壬言さんをちらりと見る。 「あのっ、あのっ、お仕事の区切りが着いたお食事」 お食事会なら玖美さんも誘って改めて、と言おうとしたけれど、眞言さんにグイッと肩を抱き寄せられた。 「真来ちゃんと2人きりがいいんです」 もう一度言われた。 どどどうしよう、唐突な展開に、パニクる。
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