プロローグ

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身の程をわきまえていなかったのだ。 有名大卒の爽やか笑顔のイケメン。 仕様によってはホスト手前の髪を無造作にセットし、長身で体毛の薄い細マッチョ。 1日営業に出れば最低2件の顧客を取り。 その日取れなくともいずれ確実に結果を出してくる。 断られることを知らないバリバリの営業マン。 私はと言えば。 田舎の無名大卒。 手入れを欠かさず背中まで伸びた髪と、太りにくい体型が唯一自慢の地味子。 たまに、たま――に美人と言われるけれど、一応顔面は人並みらしい。 釣り合うはずがない。 なにを夢見て、いや、血迷って告白などしたのか。 神様仏様。 なかったことにできませんか? いろいろ。 あれこれ。
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