榊和也のとある1日

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 22時。  仕事を終え、帰宅すると最早恒例である姉の襲撃を受けた。 「かずやぁぁぁ!おかえりぃ!!……あれ、何かいいことでもあったの?いつもより表情が柔らか居気がするんだけど……」 「ん?まぁ、ちょっとね」 「何々何々?!何があったの!?おねぇちゃんにも教えてよー!」 「姉さん!汗かいてるからくっつくのやめて!!」  僕はくっついてくる姉を半ば強引にひっぺがし、部屋へと逃げ込んだ。  あのままくっつかせておくと何時間も動けなくなる。  バイトよりも何よりも疲れる事案だ。 「ただいま」  僕は部屋に飾ってある写真立ての中にいる、可愛い笑顔を浮かべた"彼女"に声を掛け、持っていたものをベッドに放った。片付けるのは後にしよう。  そのままベッドに横になってしまいたくなるのを我慢し、着替えを用意して風呂に入ろうとすると部屋の前で姉が待ち構えていた。 「和也!いいことってなんなの!?おねぇちゃんにお話出来ないようなことなの!?」 「あーー姉さん!くっつかないで!風呂入らせてーーーっ!!」  いつも通りの……いや、いつもよりも心が軽くなった1日が過ぎていく。  姉をひっぺがして風呂に入り、姉にひっつかれながら夕食を食べて、姉を引き剥がして部屋に戻る。  ……僕、帰宅してから姉さんをひっぺがしっぱなしじゃないか?  なんて思いながら今日の復習と明日の予習をし、0時を回ったところで写真立ての中の彼女に「おやすみ」と声を掛けて布団に入る。  ──何だか今日はいい夢が見れそうだ。  そう思っているうちに、僕は眠りに落ちた。   ☆榊和也のとある1日  End☆
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