8人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
榊和也のとある1日
AM5:00
ピピピッと鳴る目覚まし時計に、僕はのっそりと目を覚ました。
目が覚めたというのにしつこく鳴り続ける目覚まし時計をバン!と止めて、僕はようやく身体を起こした。
のそのそとベッドを降り、カーテンをシャッ!と開ける。冬だから、まだ外は夜みたいに真っ暗だった。
外に向かって「んーっ」と伸びをしてから、顔を両手で思い切りパンッ!と叩いた。
スイッチが入った。
「よし!今日も一日頑張るぞ!」
気合いをいれた僕はささっとジャージに着替えて、部屋を出た。
「和也っ!おはよう!今朝もかわいいね!!」
「姉さん、おはよう。ありがとう」
リビングに行くと、実の姉である華那はもう既に起きていて、台所で料理をしていた。
実を言うと、この榊家には父親がいない。所謂、母子家庭というものだ。
母は僕たち養うために朝から晩まで働いていてくれているため、中々会うことが出来ない。
でも、寂しい思いをしたことがない。
姉がいつも母親代わりをしてくれているからだ。
僕と7つ離れている姉は、昔から僕のお世話をしてくれていた。
保育園の送り迎えから、学校の行事の参加まで。
中学校を早退してまで授業参観に来てくれた時には驚いたものだ。
最初のコメントを投稿しよう!