榊和也のとある1日

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榊和也のとある1日

AM5:00  ピピピッと鳴る目覚まし時計に、僕はのっそりと目を覚ました。  目が覚めたというのにしつこく鳴り続ける目覚まし時計をバン!と止めて、僕はようやく身体を起こした。  のそのそとベッドを降り、カーテンをシャッ!と開ける。冬だから、まだ外は夜みたいに真っ暗だった。  外に向かって「んーっ」と伸びをしてから、顔を両手で思い切りパンッ!と叩いた。  スイッチが入った。 「よし!今日も一日頑張るぞ!」  気合いをいれた僕はささっとジャージに着替えて、部屋を出た。 「和也(かずや)っ!おはよう!今朝もかわいいね!!」 「姉さん、おはよう。ありがとう」  リビングに行くと、実の姉である華那(かな)はもう既に起きていて、台所で料理をしていた。  実を言うと、この榊家には父親がいない。所謂、母子家庭というものだ。  母は僕たち養うために朝から晩まで働いていてくれているため、中々会うことが出来ない。  でも、寂しい思いをしたことがない。  姉がいつも母親代わりをしてくれているからだ。  僕と7つ離れている姉は、昔から僕のお世話をしてくれていた。  保育園の送り迎えから、学校の行事の参加まで。  中学校を早退してまで授業参観に来てくれた時には驚いたものだ。
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