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決意
12月の初め、女の子はある決意をした。今まで諦めてきたことに、挑戦する決意を。「-、私ね」
にゃー?(なあに?)
「今からお金を貯めて、クリスマスケーキを買おうと思うんだ」
ピクン(ケーキ?)
「クリスマスはね、家族と楽しく過ごす日なの。大切な人に、贈り物をする日なんだよ。」
猫は黙って話を聞いている。
「暖かい食事を愛する人と囲んで、クリスマスをお祝いしあう。そして、大切な人へ贈り物をする。それが本当のクリスマスなんだって。」
「だからね、クリスマス、お父さんと楽しく過ごしたいの、どうかな?」
ニャー(…いいと思う)
「賛成してくれてるのかな?頑張る。お父さんと、仲良くなりたい、普通の家族みたいに…なりたい。優しくしたいの。あなたと会ってからね…そう思うように…なったんだ。」
その日の昼下がり
ぴくっ。猫は縁側で昼寝をしていて、かさかさっという音を聞いた。ゴキブリだった。やつを見たとき、女の子はいつも泣きそうな顔で必死に追いかけ回すので、猫はいつも捕まえるようになった。でも、それを持っていくと女の子は本当に泣いてしまったので、こっそり捕まえてこっそり捨てることにしている。縁側から中に入れてはいけない、いきなり飛びかかっていって、逃がしてもいけない。まずはそばに2回ジャンプし、外側に逃げるように追い立てる、隙間に入るまでに思い切り飛びかかり、瞬時に左側に逃げることを予想して左の前足でガッと捕まえる…ことはできなかった。そのまま前足をすり抜けていく。が、すぐさま右の前足で叩き、全身で捕まえ逃がさないようにする。
…猫は、自分の体の変化に気づき始めていた。それは、人間より猫が敏感に感じ、そして人間よりシンプルに受け入れているものだった。
『クリスマス、お父さんと楽しく過ごしたいな、』女の子の言葉を思い出す。くりすます、とやらで、女の子がひとりぼっちでなくなるといいと、猫は思った。
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