あのことの出会い

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家に帰る時間はできるだけ遅らせていた。怪しまれないギリギリまで帰らないように、掃除当番や日直がある日を楽しみにした。逆に、早い日程の日は時間をもてあましてしまう。そういうときはいつも家の近所の駄菓子屋でお菓子とたこ焼きを買って、 ーお小遣いはもらえなかったがたまに渡されるごはん代をやりくりして自由に使えるお金を貯めていたー 近くの公園で食べて時間をつぶした。人通りが少なくて過ごしやすくて、私のちょっとした居場所になった。 たまに人通りがあると友達と待ち合わせをしている体にしたが、怪しまれることが多いのでランドセルは茂みに隠していた。 その日もいつものように茂みによると、 「えっ」 そこには昨夜の雨で凍えた白猫が横たわっていた。
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