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「やっぱり拓哉くんの家に泊まってたか。
もう。家に行ってもいないし、電話しても出ないし、これは拓也くんちだなと思って、わざわざ来てやったんだぞ。」
女性が頬をプクっと膨らませた。
美恵子は知らない女性だったが、女性は美恵子を知っているようであり、話している感じからしても、親しい間柄に感じられた。
美恵子は、この世界が一体何なのか知るため、わざと話しかけてきた女性に話を合わせた。
「すみませんでした。」
女性はプクっと膨らませた頬をプッと吐きながら笑った。
「もー、そんな真剣に謝らないでよ。
それになんでそんな他人行儀なの?。
私達親友でしょ?」
美恵子は、どうやらこの世界で、この女性は友達以上の親友であることを知った。
「あ、あれ?そう?
私はいつも通りだよ?」
何とか話をはぐらかしたつもりだったが、美恵子のぎこちなさは女性を更に怪しませたようだ。
「あやしーなー。」
グイグイっと女性が歩み寄ってくる。
自分のドキドキが女性に伝わるのではと思うぐらい、美恵子の心臓の鼓動は早かった。
「わかった!!」
女性の声に心臓が破裂したかと思った直後、
「拓哉くんと、結局仲直りが上手く出来なかったんだ!」
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