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美恵子には何の事だか分からなかったが、拓也という人物が書いたらしい書き置きを思い出した。
"確か『昨日は悪かった』って書いてあったけど、そのことかしら?"
そう思った美恵子は、「う、うん、実はそうなんだ。」と、また、適当に話を合わせた。
「やっぱりそうか」と女性が言うと、美恵子の頭を優しく撫でてくれた。
「よしよし、この紀香(のりか)様にまかせときなさい!
今までだって、何度も美恵子のお悩みは私が解決してきたでしょ。」
そう言うと、紀香という女性はウインクをしてきた。
知らない男に起こされて。
昔の自分に戻ってて。
知らない部屋にいて。
知らない景色が広がっていて。
知らない女性に会って。
分からないだらけの、夢かどうかも定かではない世界。
これから私はどうなるのだろうと、不安や期待など、様々な感情を背に美恵子は紀香と歩きだした。
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