食堂からの目覚め

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青年は美恵子の返事を聞くと立ち去ろうと後ろを振り向く。 そんな青年に美恵子はハッとなり、急いで一つの質問をぶつけた。 「あなた、お名前は?」 その質問に青年は軽く振り返り、 「拓哉です。 溝口拓哉!!」 と、言葉を返し、そのまま走り去っていった。 美恵子は拓哉と名乗る青年の走り去る背を見つめながら、青年が握った手の温もりの余韻を感じていた。 そして、同時にもう一人の、夢の中の拓哉と名乗る青年が渡してくれた、五百円玉の温もりを思い出していた。
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