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もしかして、昔おじーちゃんと良く散歩していたここならいるかもって思って来てみたの。」
春香はそう言いながら、自分の首に巻いていたマフラーを美恵子の膝にかけてあげた。
「おばーちゃんも年なんだから、あんまり寒い中出歩いちゃ駄目よ。
私もお母さんもたまにしか来てあげれないけれど、それでも心配してんだからね。
それに、この間お母さんが言ってなかった?そろそろ一緒に住んだらどうだって。
一緒に住んだら寂しい思いもしないし、買い物も行かないで済むから一日暖かい家の中でゆっくり出来るよ。」
美恵子にとって春香は唯一の孫であり、とても可愛がっていた。
しかし、春香の進路について、春香が母親と揉めている今、あまり関わるのはよくないのかと思い、最近はゆっくりと話していなかった。
「ありがとね。
でもあばーちゃんは寂しくないよ。
あんたやお母さんが心配してくれていることは良く分かっているし、最近は良いことが沢山あるの。
だから、一人で住んでいても平気、そんなに心配してくれなくても大丈夫。」
美恵子は春香の手を握ると優しく微笑んだ。
「そっか、そう言えばなんだかおばーちゃん少し若返った?
それもその良い事が関係してるのかな。」
「ふふふ、そうかい?
でもそう見えるならそうかもね。
それもこれもおじーちゃんのおかげよ。
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