酸いも甘いも

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ほらこの青色の本、あなた見たことなかったかしら? お父さんが亡くなる前に私に、一時かもしれないけど、この本で人生楽しんでくれって、そう言ってくれ物なの。」 美恵子は春香に本を渡すと、春香は本をじっくりみた。 「へー、あのおじいちゃんがね。 私からしたらおもしろいおじーちゃんだったけど、おばーちゃんはとっても苦労したんでしょ? お母さんもよくその話をしてたし、おばーちゃんは男運がないなんてことまで言ったこともあったし。」 「そうね、色々と苦労も多かったけど、でも楽しかったわ。 おじーちゃんも私に対して苦労をかけたことを気にしてたみたいだけど、私はそれほどでもなかった。 むしろ、私こそおじーちゃんに満足してますよ、ありがとうって言えなかったことを後悔しているの。 でもそんなこと言っても今更なのよね、だから私はこれからの人生後悔しない様に、今を精一杯生きることにしたわ。」 春香は美恵子の話を真剣に聞いていた。 そして、春香も思いのたけを美恵子に話し始めた。 「実はね、今日おばーちゃんに会いに来たのは、進路のことなの。 知ってると思うんだけど、お母さんと進路について上手く話が出来てないの。     
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