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だって、お母さんに話しても、夢なんていつかは覚めるもの、そんなもったいない時間を過ごすなら、もっと現実を見て生きなさいって言われていつも話が終わる。
私だってそんなこと分かってる。
でも、諦めたらそこまででしょ?
もう私自身どうしたらいいのか分からなくて。
ねえ、私どうしたらいいのかな。」
美恵子は以前、春香から将来アナウンサーになりたいと夢を聞いたことがあった。
その時は応援していたが、娘からあまり夢みさせること言わないでと言われ、それ以来、春香に対して口を濁していた。
春香もいつしかそんな美恵子に相談をすることが無くなり、会った時もアナウンサーの話を聞くことがなかった。
「そうだね、どうすれば良いのかはおばーちゃん分からないわ。
一つ分かるとすれば今しかないってこと。
さっきも言ったけれど、私はおじーちゃんにちゃんと言葉を伝えられなかったことを後悔してる。
あの時ちゃんと言っておけば良かったと思ってる。
後悔は後でいくらでも出来るけど、何で後悔するのかは今しか決められないのよ。
だから、春香がもし後悔するなら何でするのかを考えれば、おのずと答えは見つかるんじゃないかしら。
それに、あなたのお母さんも、あなたに言わないだけで同じような時期があったわ。
そして、お母さんは夢を見て追いかけた結果、それが叶わなかったの。
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