1人が本棚に入れています
本棚に追加
見知らぬ世界
女性は意を決し、見知らぬ部屋を出てみることにした。
部屋の扉を開け、見てみると。
やはりそこにも知らない部屋があった。
見た感じでは、1LDKの間取りであると思う。
部屋は白と黒のモノトーン調で、物もそれほど置いてなく、落ち着いた雰囲気だった。
恐る恐るリビングに入ると、机の上にはお皿に乗った二つのオニギリが置いてあった。
形はお世辞にも上手とは言えない物であったが、一生懸命作ったということはひしひしと感じられた。
オニギリが置かれた皿の横には、何か手紙のようなものと、カギが添えられていた。
女性は、手紙を手に取り読んでみた。
『美恵子へ
昨日は悪かった。』
たったそれだけが書かれていた。
「美恵子(みえこ)って、私の名前だ。
でも、昨日ってなんのこと?」
どうやら、美恵子とは女性の名前らしい。
老婆改め、女性改め、美恵子は、手紙を机に戻すと、今一度部屋を見渡した。
すると、部屋に置かれたソファーの上に、うすピンクのワンピースがあった。
手に取って体に当ててみるとピッタリだ。
最初のコメントを投稿しよう!