見知らぬ世界

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見知らぬ世界

女性は意を決し、見知らぬ部屋を出てみることにした。 部屋の扉を開け、見てみると。 やはりそこにも知らない部屋があった。 見た感じでは、1LDKの間取りであると思う。 部屋は白と黒のモノトーン調で、物もそれほど置いてなく、落ち着いた雰囲気だった。 恐る恐るリビングに入ると、机の上にはお皿に乗った二つのオニギリが置いてあった。 形はお世辞にも上手とは言えない物であったが、一生懸命作ったということはひしひしと感じられた。 オニギリが置かれた皿の横には、何か手紙のようなものと、カギが添えられていた。 女性は、手紙を手に取り読んでみた。 『美恵子へ 昨日は悪かった。』 たったそれだけが書かれていた。 「美恵子(みえこ)って、私の名前だ。 でも、昨日ってなんのこと?」 どうやら、美恵子とは女性の名前らしい。 老婆改め、女性改め、美恵子は、手紙を机に戻すと、今一度部屋を見渡した。 すると、部屋に置かれたソファーの上に、うすピンクのワンピースがあった。 手に取って体に当ててみるとピッタリだ。     
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