永遠の眠り

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永遠の眠り

喪服を着た大勢の人が、棺に入って眠る一人の老婆を囲んで泣いていた。 皆それぞれが、思い思いに別れの言葉をかけ、棺に花を入れていく。 中には写真を入れる人、また、食べ物を入れる人もいた。 そこに、一人の若い女性が棺に歩みより、一冊の青色をした本を眠る老婆の手元に置いた。 「おばーちゃん、ありがとう。」 女性は一筋の涙と共に言葉を送った。 涙は頬から流れ落ち、本の上に落ちた。 本の表紙を涙は滑り、やがて、表紙に描かれた一人の青年の目にたどり着いた。 それはまるで青年が涙し、老婆との別れに悲しみを抱いているようにみえた。
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