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どんぐりが転がってきた。僕は何かなと
上を見ても空しかないのだから下を見るまで何が落ちてきたか分からなかった。
どうしてどんぐりが落ちてきたんだろう。
そうやって考え込んでいるのは
小学五年生の名橋優太である。
なんでだろうと呟くとまたなにか落ちてきた。今度は赤い木の実だ。
うーんと思いながらも、まぁいいやと歩を進めようとした時
「おい、あんた」
どこからか声が聞こえてきた。
少年のような声。僕はすぐにどこにいるの?誰?と聞いた
すると
「上だよ。そしてわっちは人じゃない名前は楽音だよ」
さっきまで何もいなかったのに塀の上に浴衣を着て草履を履いた男の子が胡座をかいて座って僕の質問に答えた。
「らくね…?」
そうだよと答える。そして僕の名前を教えると
「優太、あんたは新しいモノ好きかい?」
「うん!好きだよ。」
そう聞かれて僕は元気よく返事を返した。
じゃあ着いてきなと森の中に入っていった。
あまり入ったことのない森だった
よし着いたよと言われてみてみれば言葉には表せないくらい綺麗な場所が広がっていた。
透き通った青い湖に周りには色とりどりのきのこが生えている。中には光っている物も
そして湖の反射で青色に光る大きな石がなんとも綺麗だ。
「どうだい?わっちも色々な森を転々としてるからさっき見つけたんだよ」
なるほど…だから新しいモノかぁと
思っているとふと瞬きをした瞬間
元の道の隅に座っていた。
「あれ?さっきまで…それと楽音くんは?」
さっきの森もない。
そういえば森なんて元々なかった気がする。
じゃあ一体そう思った時。
「やぁ、優太わっちの幻術にすっかり魅せられていたようだね。これは全部幻さ」
最後に楽しかったよと言って楽音は消えた。
どうやらいたずら目的の妖怪だったようだ。
でも綺麗だったなぁと思う優太だった。
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