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「……この場合、過去に望月がオンナに生まれていたかも知れない時間軸が現にあったとしてだ。こことは別な時間軸が存在していたとしたら……この密室での事件がすべて説明できる」
「……この子も、望月雅美”ちゃん”ってこと? うそッ!」
「そう考えるしか、もう説明がつかないだろう……他にどう説明するよ……」
「つまりだ……。あの娘は、異性の望月、オンナの望月自身だとでも言いたいのか?」
「そういうことだ」
「こ、このこのこの!」
「何すんだ、ぐえ!」
「この非常時に、デマカセを言うなあああー!」
「デマカセじゃない、本当だ……離せ! こ、今度はオレの首が、ぐげれえげげげ……」
「あいつが昨晩、近隣の女子寮に忍び込んで、甘いコトバをささやいて、夜な夜なここまで拉致してきたに違いない! このシチュエーションだったら、もはやそうとしか考えられん!」
「あのなあ! オレはそんなことも、あんなこともやってない!」
「当事者は黙ってろ!」
「当事者だから言わせてもらうんだ!」
オレって……えらい言われようだなあ……幾らなんでも……。
「違うの……彼はそんなこと……してない……」
「なにいー? だいたいだ! 違うかどうかは、女の子本人から訊かなければ解らんだろう……あ? 本人?」
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