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――ふざけんな……!
俺は山道を駆け下りながら、あの男への怒りを募らせた。
あいつの態度は、あやちゃんを大事に想っているようにはとても見えなかった。
あいつは楠ノ瀬のこともあやちゃんのことも弄んでいる。ついでに俺のことも揶揄って面白がっているんだろう。
――あいつの言うことなんて大人しく聞いてやる必要なんか、ない。
俺は徳堂の牽制を頭の中から追い払った。
そして、決めた。
楠ノ瀬を、あいつの手から奪ってやる……と。
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