始まり

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いつからだろうか、 いつまでだろうかこの感覚は、 過ぎたはずなのに押し寄せてくる過ぎた日が、もうたちきろうとすればするほどそのつながりは太くなるばかりだ。 行きたい場所があるのにゆらゆらと定かでない感覚はもううんざりしていた。 またあの場所へ戻ろうと思うがその道はもうなくなっているようだ。 これはもうどうしようもないサダメなのだろう。 濃いめのコーヒーをゆっくりと味わい、 鼻から抜ける風が7センチ程ゆらいだぐらいのタイミングで窓の外を見た。 ごくありふれた雪景色だが空の色がいつもと違う、鮮やかなうすい水色だ、空色だ、 透けて見えるむこうの世界に心よせてそわそわするような空色だ いつもと違うと感じたのだからきっと自分の中に何かが生まれたか、そぎ落とされたに違いない。 コーヒーが減るのが寂しい。 いつまでもこの空色を見ていたい。 最後の一口を飲み干した後、 コップを置いた。 「そろそろか、」 ぼそりとつぶやいた後また思慮にふける 場所が変わるとやりたい事、やるべき事がかわるのはそれが正しい事なのか、 東西南北どこにいようと同じことをやっているひとが素敵に思う。 しかしながらこれは気をつけたほうが
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