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それから男は女の元へ通うようになった。
女は毎回、手を真っ赤にしながら火を起こした。そして、その火で料理を作り、男を待った。
男は毎回、女の手に効く薬や着物、書物など、町で手に入るものを持って行った。
ある日、男が言った。
「お前は人間なのか?」
「私にも分かりません。ただ、冷たい者として生まれてきました」
女の体はとても冷たかった。そして、食事をほとんど取らなかった。食べたとしても熱の無い冷え切ったものしか口にしなかった。
ある日、女が言った。
「あなたには、家族はいなのですか?」
「皆死んだ。俺は一人だ」
男の周りの人間は皆、病や怪我で命を落としていた。男は天涯孤独だった。
女には姉がいた。物心ついた時から一緒に居た唯一の家族だった。しかしある日、姉は彼女たちを狙った猟師に撃たれ、その傷が元で亡くなっていた。女もまた、一人だった。
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