最終章 『5月、君に、伝える』

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「わー、眺めも良いみたいだし、新しくて素敵な部屋じゃん」  広めのリビングに、カーテンの向こうにはI街が見渡せて、鎌堂が興奮気味に窓辺に近寄る。 「山岡君、リカさん、これ良かったら。来る時に皆で選んだの」  一方驛さんと鮎原さんが二人に手渡したのは、美味しいと評判のあるらしいシュークリームで、提案した驛さんはやっぱりグルメだな。 「気を使わなくてもいいのに、ありがとう」 「ありがとうございます、今日はゆっくりしていかれて下さいね」  知的な山岡に、ふんわり柔らかい雰囲気のリカさんは優し気で、山岡ってこういう人がタイプだったんだな。お似合いだ。
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