最終章 『5月、君に、伝える』

35/50
前へ
/470ページ
次へ
 アイドルのような例え方をされ、返し方に困っていると、山岡は何やらもぞもぞ耳打ちしてきて、その言葉に俺は自分でも顔の熱が上がるのが分かって、山岡から距離を取る。 「そんなに照れること、俺言った?」 「……山岡って変態なんだな」 「いや待って、普通にもう泊まった? って聞いただけじゃん。変態とか変な言い方するなよ」  長い間付き合って結婚した山岡は、そういうことにもう照れはないのかもしれないが、こっちは違う。
/470ページ

最初のコメントを投稿しよう!

113人が本棚に入れています
本棚に追加