最終章 『5月、君に、伝える』

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「……え、ひど」 「ぼーっとしてるからいけないんだろ」  驛さんが美味しいって教えてくれたお店のシュークリームなのに……食べたかった……。 「一君、私のまだ食べてないから、あげるよ」  美味しいと知っているのに、笑顔で皿を渡してきた驛さんはやっぱり今日も優しくて、可愛い……とか、皆いる前で思うのはよそう、俺は首を振る。 「今日は大丈夫、また今度食べる機会作るから」  もちろんその時隣にいるのは驛さんで、脳内のビジョンは明確だが、それを口にするのも……今はよそう。
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