『プロローグ 過去』

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 しかし、他人に深入りしたくない俺は、次第と人を避けることも多かったのに、鎌堂は俺を気に入ったらしくよく話しかけてきてくれて、付かず離れずの関係で同じ高校に入学し、クラスが離れても俺は鎌堂とよく話をしていた。  触れると相手の気持ちが分かる、とは確かに摩訶不思議な力だが、俺はこの力を必要だとは思わなかった。  おかげで物静かな性格に変わってしまったし、この力がなかったら、俺はどのような未来を過ごしていたのだろう。  幼稚園以降、俺のこの力を知っているのは家族だけである。
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