第二章 『始まる、マフラー、1月』

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第二章 『始まる、マフラー、1月』

~一大地~  年末、大晦日を明日に控えた日中に、一人のお客が俺の働く北欧雑貨のお店を訪ねてきた。 「いらっしゃいませ……驛さん?」  レジ近くに並べられた雑貨類を見ていた横顔に見覚えがあって声をかけると、どうやら当たりだったらしく、あちらは頭を下げてきた。 「あ……一君、こんにちは」 「こんにちは、仕事終わり?」
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