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その時のことを鮮明に思い出したのか、店長は目と鼻先を赤くさせて、顔を伏せた。
「……それで、どうされたのですか?」
店長はハンカチで鼻を拭って、弱ったように笑う。
「胸を打たれましてね。その彼女と交際を始めたんです。恥ずかしながら、清貴よりも若い女の子です」
ばつが悪そうに目を伏せるも、清貴は何も言わずに相槌をうつ。
「わたしたちが一緒に歩いていても、親子のようにしか見えませんでした。
何より交際と言ってもお茶を飲んだり、食事をしたり、ときどき映画を観に行くという、とても可愛らしいもので、わたしは、その時間がとても楽しかったんです」
店長は懐かしむように言って、コーヒーを口に運ぶ。
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