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―同じ頃、唯達はというと―
「はぁ…はぁ…B、C、DそしてE…どの組でも情報なし…って、当然よね。」
‘イジメってのがなんなのかは分からないけど、人には言えない何かなんだよ、きっと。’
「へ、へぇ~…以外と鋭いとこつくわね、レイカちゃん。」
‘えへへ、ワタシの一族の固有能力・思考予知(要は人間や動物の考えていることが分かる能力)だよ!’
「そうだ、あの曲がり角ら辺で立ってる男の子に聞いてみようよ!」
‘うん、蜂田君の友達なら男の子かも!なら、男の子に聞くのが手っ取り早いね!’
タタタッ
「あの、今ウワサになってるイジメについて何か知ってる?」
「ああ…知ってるよ。何なら教えてあげよっか?その事について、色々と。」
「教えてくれるの?ありがとう!」
「その代わり、ちょっとついてきて欲しいところがあるから、そこまで言ってそこで話そうよ。」
「分かったわ!」
―その日の晩、壊斗の家―
ガチャッ
「ただいま…って、あれ?てっきり呆れて先帰ったかと思ったけど、いないか…」
ビービービー、ビービービー
「わっ、なんだなんだ?」
“唯がまだ帰ってきてないみたいだけど、虎島君、何か知らない?”
「珍しいな、唯の姉貴からLINEなんて…って、はぁ!?レイカだけじゃなくて、アイツもか!」
(唯もレイカもオレとは別行動だったわけで…くっ、こうなったら!)
―海神の家―
「わ、悪かったな、急に押し掛けて。でも、マジでヤバいことになりつつあるぜ。」
「なんや…壊斗も気づいとったんか?レイカちゃんの反応が消えかかってること。」
「幻獣のオマエなら何か分かるんじゃねぇのか?」
「契約したのがいつかは知らんけど、だいぶ時間が経っとるんならちとヤバいな…」
「そっか、そういえば前にアイツから“一定時間契約者から離れてると姿を消すことが出来なくなる”って聞いたんだけど。」
「そうやな、幻獣達はみんな人間には本来の姿はさらさへんからな…まぁ、何にせよ、今日は泊まってき。」
「ありがとな、海神。」
―一方、とある廃工場―
唯とレイカはあの後廃工場に連れていかれ、縛り付けられていた。
「ノ、ノート持ってるってことは…レイカちゃん?」
「わっ、大変!壊斗から離れすぎたから…体が…」
「でもマズいわね…壊斗、助けてくれないかな。」
「きっと来るよ。」
二人は誰もいない廃工場で静かに願った。
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