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―その後、公園通り―
『ねぇ見て壊斗、まだ桜残ってるよ!』
「ホントだなぁ…ってオイ!言ったそばからルール破ってんじゃねえ!」
ギュウ
『ひゃん!つ、角だけはやめてぇ~!離してよぉ~。』
「離してほしいなら今すぐ謝れ。」
『あ、謝るから手を離してよぉ~!』
二人がこんなやり取りをしていると、後ろに唯の姿が見えた。
「げっ、唯だ。もう謝んなくていいから!てかしゃべんな!」
『は、はぁ~い…』
「壊斗、冷や汗流れてるけど、何かあった?朝から大きい声なんて出して。」
ギクッ
「別に…“今日から不良として頑張るぞ~!”って気合入れてたってわけで…」
(さっきのやり取り聞かれたか?)
「ふ~ん、それにしてはなんか焦ってた声だったけど?」
「だから、気合入れてたんだって言ってんだろ!理解しろ、バーカ!」
「どうでもいいけどさ、不良が頑張ってどうするのよ。」
「あ、そっか。って、だからって気合いれるくらいはいいだろぉ?」
「私に何か隠してるんだったらタダじゃ済まないからね。じゃ、私は先行くから、くれぐれも騒ぎなんて起こさないでね。」
唯はこう言い残すと、足早に学校に行った。
「はぁーっ、危なかったぁ~!もう少しでバレるところだったぁ~。」
『別にいいじゃん、バレたって。』
「オマエが良くてもオレは良くねぇんだよ大バカァ!」
「お~っす虎島君!誰と話してんの?」
ポクポクポク、チーン…
「だ、誰トモシャベッテマセンガ、アハ、アハハハ…」
「“オマエが良くてもオレは良くねぇんだよ!”って言ってたじゃん?」
(ヤバい!もうバレた?いや、ごまかせ!さっきみたいに!)
「フフ、オマエには見えないものと口喧嘩していたんだよ!」
「ふ~ん、虎島君ってそ~ゆ~やつだったんだね!じゃ、バイビー!」
「あ、コラ待て蜂田(はちだ)ァ!」
(バカはオレの方じゃん!思いっきり逆のこと言ったじゃん!目に見えないものと口喧嘩なんか出来ねぇのにぃ!)
『やっちゃったね、壊斗。』
「オマエが言うなコラ。」
ギュッ
『二回もやらないでよぉ~!』
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